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2007年10月 8日 (月)

軍艦旗はためく丘に

著者 城山三郎 新潮文庫

久しぶりに、小説を読んでいてひどく涙が溢れてしまいました。。「硫黄島に死す」に収録されていた作品です。

少年特攻隊として、宝塚にある基地の予科練に配属になった15歳になったばかりの少年は軍の虐待にちかいしごきに耐えながら、いつも腹をすかせ、お国のためと歯を食いしばて生き抜こうと日々を過ごしていた。しかし、彼らは一度も飛行機に触ることもなく、瀬戸内海で沈んでしまう。。そんな若い兵隊さんたちの話です。。

この少年たちの多くが淡路島の基地に渡るための船上でアメリカ軍の戦闘機の空爆を受け、瀬戸内海で命を落とす。救援にあたった淡路島の島民は、死んでしまった少年を陸に引き揚げたとき、「まだぼうやじゃないか。。」と絶句して涙をながす。。少年は、いまわの際に行き絶え絶えに、「おかあさん」とつぶやいて亡くなった。。

彼らは仲間と靖国で会おうなんて話はしていなかった。。ただおかあさんに会いたかったのだ。石原慎太郎が作った、例の戦争賛美映画より、このストーリーが戦争の真実に違いない。戦友と靖国で会うより、戦争で亡くなった少年たちの魂は、故郷にもどってやさしいお母さんに会いたいと思うのが普通だと思う。

そして、この少年たちが聞きたかった歌は軍歌なんかではない。。平和だった時代に親と観た宝塚歌劇団の少女が唄うなつかしい唱歌をもう一度聞きたかっただけなのだ。。

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