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2008年6月 8日 (日)

相棒

当初あまり興味がなかったのですが、イラクの香田さん拉致殺害事件をモチーフにした映画という情報を知り、観にでかけました。

観客の8割が、当時被害者に否定的で、当時の小泉首相の自己責任論を支持していたと思うのですが、この映画を観て、なにか感じた観客がいたのでしょうか?

おそらく、いないだろうなと思いました。

映画で、西田敏行が、日本人は5年前の事件のことなど誰もおぼえていない、そんな事件があったこと、だれも覚えていない。皆が忘れてしまっていると言っていましたが、そんなことはありません。

過去の自分のブログでも、この記事でも、この記事でも、この記事でも、この記事でもなんども忘れられずに書いてきましたが、

わたしは香田さんの命を救うことができなかった国民の一人として、つねに心の奥に罪悪感を持って生きています。

どんなに楽しいことがあっても、楽しんで笑っている自分がいても、その自分を後ろめたく思う。、、それくらいあの事件のことが忘れられない。自分の卑怯を恥じて生きています。

そして最終決断をして、前途ある若者の命を見殺しにしてしまった当時の小泉首相がその決断の直後に、アメリカでエルビスプレスリーの唄を歌って浮かれて笑っていたことにとてつもなくショックを受け、そして、そんな首相しか選べなかった有権者のひとりとして、恥ずかしく、そして被害者の香田さんの家族に対して申し訳ない気持ちになっています。

若い人は無茶なことをします。

向こう見ずで、落ち度があったとしても、それでも命で償うほどの無茶なことを香田さんがしたとは全く思えません。

信号無視をして車にはねられたら、死にかけていたとしても、法律を、ルール守らなかったので自己責任だからそこで死んでもよいっていう道理がありますか?一刻も早く助けたいでしょう。ルール守らなかったのだから、税金使って救急車呼ぶ必要ありませんか?

ルール守るとか守らない関係なく死にかけている人の命救いたいと思うのが、正しい人の心の動きではないでしょうか?

小泉首相は、全力で彼を救う方法を誠心誠意考えるべきでしたし、国民の利益のために、苦慮を重ねた上で、被害者を犠牲にすることを選んだとしたら、国家のために命を落とした香田さんに対する追悼の意を国民がもつように誘導するのが首相としての役割だったと思います。すくなくとも、直後に浮かれて唄をうたったりしないはずです。人間の心を持った人だったら、すくなくても公人の身分でいる間は人前で笑顔さえ晒すことさえしないくらい、遺族の感情を考える、そんな人格者でいて欲しかったです。

たった一人の日本国民を守れなかった人間が国民を守れるのでしょうか?政府の指導に従わない人間は、もう日本人ではないのでしょうか?愛国心ってなんなのでしょうか?

そんなことを発信したい映画だったのかもしれませんが、実際、まずこのイラク拉致事件を知らない国民もいますし、当時まったく省みなかった国民が、この映画で心が動くとは思いませんでした。そして、この映画を「フィクション」です。という必要はなかったと思います。

少なくとも、実際に起こった事件を下敷きとしたフィクションと堂々とコメントして公開して欲しかったです。

また、この映画では、殺された青年は、実は退去勧告をしらなかったのだからバッシングされるべきではなかったというストーリーでしたが、それではあの事件を疎むメッセージとして不足です。

退去勧告の前、後は関係なく、どんな理由だとしても、人の命を軽んじる無責任なバッシング発言を無関係の人間が匿名でするべきではないし、卑怯で恥ずべき行為だということ、その点を主張してほしかったと思いました。

この内容では、実際の被害者の家族が更に傷つくような内容になりかねないと思いました。

是非とも、当時の国民を無責任で厚顔無恥な方向へと走らせた小泉首相と大半のマスコミへの批判を正しく伝えるノンフィクションをもういちど映画、ドラマなどで描いていただきたいとおもいました。どう考えても、当時の小泉首相やマスコミの人心操作はヒトラー時代を思わせる異常ぶりでした。

でも、まだまだこういう映画がつくれるほど、そして、一個人がこんなブログで、当時の政府にたいする意見を発信できるほど、日本には表現の自由が残されているのだなと、少し安心することができました。

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