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2014年4月 6日 (日)

海の図 

著者 灰谷健次郎 新潮文庫

以前、石原慎太郎が小樽の図書館だったか小学校だったかに書籍を寄付をするときに、灰谷健次郎の本など置くなと注文をつけたという話を思い出し、逆にはじめて著者の本を読んでみました。
なるほど、著者は和風ケストナー(ケストナーのような文才には乏しいようですが)とでもいった内容で、反社会小説ばかり書いている石原慎太郎とは正反対の内容の作家だったからです。
本書は高校生の青春小説にみせかけながら、現在の教育批判、大企業の環境破壊批判が主な目的の小説のようでした。

しかし、1970年代の沖縄のCTS(石油基地建設)によるサンゴ礁、漁場の環境破壊反対運動の金武湾闘争など、まったく知らなかった史実を本書で初めて知り、これが日本の高度成長の裏の姿、今の原発問題まで面々とつながる政府による棄民政策なのだなぁと納得してしまいました。今でも政府による棄民は続いている、自分に関係ないと思っているけれど、けれど、既に知らず知らずに自分も棄民の順番が回ってきているのでは、他事でいいのだろうか、つくづく考えてまいました。
とはいえ、日本の庶民は自分のお尻に火がつかない限り、いや、今の原発の状況を見ていると、すでに火がついていても、見て見ぬふりをして、焼死する、そんな国民なのかもしれません。消火する手間を考えたら、焼死するほうが楽?的な、、、
石原慎太郎がなぜ灰谷健次郎が嫌いかというのは、本書でなるほどとよくわかりました。
政府、国策、大企業、富裕層の保護、石原慎太郎 VS 庶民の安全、健康、幸福、日本の伝統、風土、環境の保護、灰谷健次郎
この構図がとてもわかりやすい一冊でした。
ただ、大切な主題なのに、残念なくらい文章が面白くなかったです。この一冊を読んで、次の本も読んでみようという気になれないのが残念でなりません。

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