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2014年6月21日 (土)

イベリットガス

小説「チボー家の人々」の主人公アントワーヌが命を落とす原因となったドイツ軍が使用した毒ガスイベリットガス。

イベリットガスは、アントワーヌの病状に語られるとおり、被曝した当初は症状があらわれにくく、そのために、手当てが遅れ、気が付いたときにはすでに遅く、徐々に肺をむしばまれて死に至る恐ろしい毒ガスということです。

作中では、「ドイツ軍の奴、こんな卑怯な武器をつかいやがって、ボッシュ(ドイツ人の蔑称だそうです)め!」

なんて言っていましたが、その後、第一次大戦では両陣営でつかいまくっているそうです。また、イラン・イラク戦争でも使われたということです。

日中戦争では、中国本土で旧日本軍が使いまくり、いまだに砲弾が発掘されるということですの。イベリットガスを調べているうちに、戦時中、瀬戸内海にある大久野島という島で大量のこのイベリットガスが製造され、島の住民は被曝で苦しんだという歴史があるそうです。そして、戦後長い間この島の存在が封印されたいたそうです。

アントワーヌが肺をむしばまれたあとの、日々の闘病の苦しみの様子を読めば、この毒ガスがどれだけ恐ろしい毒ガスかということがわかります。

オウム事件でサリンを使った犯人が全員死刑になっていることを考えたら、旧日本軍のこの毒ガス使用者もオウムなみの大犯罪を犯していたのだと思います。現在、ジュネーブ条約では毒ガスなどの化学兵器の使用を禁じているようですが。

ちなみに、現在、大久野島は、うさぎの楽園の島として、観光地となっているようです。

日本人の何人の人が、この大久野島の毒ガス製造の歴史を知っているのでしょうか?

わたしも今回チボー家のアントワーヌのイベリットガスの話を読まなかったら、知ることがなかったのです。

無知と戦争はともだちというのは、本当のことだと思います。

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