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2018年3月31日 (土)

インドで暮らす

著者石田保昭 岩波新書

1963年初版の本書、図書館で借りた本は1991年ですでに第31版ということですから、長く多くの人に読まれてきた本なのですが。。今日まで知りませんでした。。またもや世の中は知らないことばかり。。です。
本書は、東京大学卒業後、インドに渡り、3年間、インドの外交官などに日本語を教える仕事をしながら、インド人のまさに庶民の世界で生活して、感じたことを記した一冊です。
当時のインドに暮らす日本人は商社マンや新聞記者などのエリートで、贅沢な生活を保障された生活をする日本人くらいで、リアルなインドを知る日本人など誰もいなかった時代だそうです。
そんな中、インド人の教師と同じ給料で暮らすことに決めた著者。なかなか暮らすのは厳しい。それでも、自分の周りに無数にいる下層労働者の何倍もの賃金をもらっている。
なぜ、この人たちはここまで徹底的に虐げられ、貧しいのか、著書は日に日に義憤が増してきます。現地で大名のように安穏に暮らす日本人たちへの軽蔑感が増してきます。
本書、最初のうちはインドの貧しい人たちの生活を描いているのですが、徐々に左翼的な内容が目立つようになります。。東大を出た教養の高い、純粋な人は当時どうしてもあまりの理不尽、あまりの不平等さを前に義憤にかられ、共産的になってしまう時代だったのかもしれません。。
いまの日本は、そういうことを言ったり思ったりすると、たちまちアカだ、パヨク、左巻きだなんて言われて肩身の狭い思いをする人も多いのかもしれませんが、貧しい労働者の権利を守り、生活を向上させ、教育を向上させてきたのは、日本では昔からアカの人やパヨクの人だったのになぁ。。ネトウヨのひとたちは、自らぼろきれのように虐げられる貧困の奴隷の時代にもどりたいのかなぁ。。(あきらかにぼろきれのように労働者を取り扱う側の人たちではない人が多い気がするのですが)
インドでは、極端に貧しい南の州で、共産運動やヒンズー教から仏教に改宗して、カースト差別から抜け出そうとする人々が大量に発生したということです。
とはいえ、たったの三年ではインドのすべてを知るわけではなく、著者はインドのインテリ層を批判したとして、インドの外交官に怒られて国際問題に発展しそうになったこともあるようです。

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