カテゴリー「文化・芸術」の記事

2014年12月27日 (土)

大いなる遺産@シアターサンモール

先日スタジオライフという劇団の公演で「大いなる遺産」を見てきました。

前回はじめてこの劇団の「トーマの心臓」の芝居を見て、ユリスモール役の役者松本慎也さん由来のアッシェンバッハ症候群を発症してしまい。もう一度この役者さんを見たいというのもあったのですが、ディケンズの「大いなる遺産」はいままで読んだ本の中でも上位にはいる面白いストーリーでしたので、大変楽しみに出かけました。
個人的には役者の松本さんはビップ役より、ミスハビシャム役が向いているのではないかと、配役が決まるまえから想像していたのですが、意外なことに、ビップ役(というか、このストーリーの主役がビップだから主役級の役者さんはこの役しかないのかしら?)
お話の方は、ビップの子供時代から中年になるまでの長い話を2時間に凝縮してしまうわけですから、ディケンズお得意のこまかい小ネタがほとんどカットされていて、原作を読んでいない人には、これがどういうストーリーかよくわからないのではないかと思いました。(原作でさえディケンズの小説はどれも人間関係が複雑で分かりにくいというのに)。
とくに、ミスハビシャムの館でのバート・ポケッとの殴り合いやのエピソードや、その彼とロンドンで再開して大親友になり、ピッブがお金をだして仕事を世話してあげる話や、ビップの後見人の弁護士の助手のウェミックが老父をとても大切にしていて、その老父とウェミックの愛情や、ウェミックの婚約者の話などといった心温まるエピソードなどがまったく割愛されてしまっていて、これでは主人公のビップはお金に踊らされたおまぬけな成金の人生の失敗者に見えてしまうのではないかと思ってしまったのです。
なので、やはり配役が違ったかな?松本慎也はミスハビシャムだなぁ、、
それ以外のディケンズ作品に松本さんがどの役が向いているかも想像してみました(^^;)
「ディビットコパフィールド」だったらもちろんドーラ以外ないと思いますが、でも、逆にユライア・ヒープ役を見てみたいきがします。(いやいや、乳母のベコティ役もいいかも、、)
「骨董屋」では主役のネル、もうネルはかわいそう過ぎるけど、やはりネルですね。
「リトルドリット」は主役のエミリーで以外はなさそうです。そうか、、ジョンチバリー役があったのか!
「我らが共通の友」これも主役のリジー役でとおもいますが、、あえてジェニーレン役をお願いしたい」
つまらない妄想でしたが、楽しい妄想でした。

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2014年6月15日 (日)

トーマの心臓

紀伊国屋ホールで、「トーマの心臓」というお芝居を見てまいりました。

原作は、漫画家の萩尾望都。

この漫画家を小中学生のころ、とことん信奉しており、とくにこの「トーマの心臓」に中学生のころは、本当に影響をうけて、(当時はボーイズラブというカテゴリーがない時代)
その後の進学にまで(ドイツ語関係にどうしても進学したいと)影響して。
そして、もちろん、ドイツ語関係の大学に進学してしまったにもかかわらず、その数十年後の現在では、、ひとことのドイツ語も話せない、大人に成長てしまいました。
本日、紀伊国屋ホールで、この原作を戯曲家した、ドイツ人の少年たちの青春の日々を、日本のおっさんたちが演じるという、不思議なワールドを体験してきて、、
気持ち悪いのですが、たいそう面白かったです。
あの、、原作のストーリーでは、美少年が、ボーイズラブを繰り広げるのです、
でも、この芝居では、美少年はひとりもいない、唯一、ユーリスモール役の33歳のおっさんが綺麗な顔をした美青年で、33歳なのに中学生の役を演じていて、ほんとうに気持ち悪いのに、なのに、とても素敵でした。
つまり、この劇団は大成功です。
だって、こんなに、原作のイメージととことんかけはなれているのに、でも最後まで面白いんですよ!いい役者さんぞろいなんだと思います。
原作を30年ぐらいまえから知っていて、この劇団のキャスティングを見て、美少年がひとりもいないでしょう、「ないないない!ないないない!」と思ったにも、かかわらず。
それなのに、面白い!と思ったのですよ。
素晴らしい役者と、素晴らしい演出が勢揃いのお芝居だったってことです。
そして、萩尾望都の原作を日本人が演じるのはありえない、と思っていたのですが、今回の芝居をみて、ありかも?って思ってしまいました。
もう、ユリスモールは、どうしてそんなに苦悶するの、ないでしょう、と思いながらも、それでも感情移入してしまう。演劇のすばらしさを再認識してしまったお芝居でした。
そして、個人的に、ユリスモール役の役者さん松本慎也、推しメンかな?
彼と、サイフリート役の役者さんは、原作のイメージにかなり近かった気がします。
そして、この劇団、なんと次回の公演は「大いなる遺産」だとのこと、ミス・ハビシャムをいったい誰が演じるのか、めっちゃ気になります。できれば今回ユリスモール役の松本慎也氏に演じていただければいいなぁなんて、、
いつか「ディビッドコパフィールド」も上演していただきたい、その時は、松本慎也には、是非ドーラを演じていただきたい、、って、もう松本慎也括りになってますが、、

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2011年6月26日 (日)

血の婚礼@にしすがも体育館

ストロベリーオンザショートケーキの佐伯先輩の頃から、ずっと、窪塚洋介のファンであります。

、、という訳で、窪塚くん見たさに、西巣鴨まで足を運びました。

舞台の演出は蜷川監督ということで、、おそらく、訳分からない前衛芝居だったら、水とか被されたら、イヤダな、、と思っていたのですが、、舞台の前半、おや、、ちゃんと筋があるぞ、、これならなんとか、、と思っていたら、突然、元キャンディーズの蘭ちゃんが、、シェークスピアの舞台のような芝居をはじめて、、あちゃ~!!やっぱり訳わかんなくなってきた、、

若い頃は、唐十郎の赤テントだ、斉藤氏の黒テントなども覗きにいきましたが、所詮、田舎モノなので、都会的な前衛芸術がどうしても脳みそが反応しませんでね。。

前衛芸術を理解しようという気は全くなくなりましたが

この舞台、、2メートルもない直ぐ近くに、あこがれの、窪塚くんが見えますよ、、
いやぁ、、ホント、やっぱり格好よかったですわ。。なんとも、素敵。ファッションモデルのようでした。。

窪塚くんの芝居は、相変わらず、窪塚くん。

思うのですが、窪塚くんは、蜷川さんの芝居には向かないのでは。。

「池袋ウェストゲートパーク」や、「ピンポン」を舞台化したら、絶対にはまり役だとおもうのですが、、本人が嫌なのかな?

昔から窪塚くんに絶対にはまる役として、考えているのが、西遊記を三蔵法師と孫悟空をひとりふた役するという役なのでが。どうでしょうか?、、映像なら可能かもしれませんが、、舞台だったらどんな感じなのか、、でも、舞台でもやれば出来ないことはないような、、、どなたかに演出してほしいものです。。

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2010年3月13日 (土)

カフカの変身@テアトル銀座

森山未來主演の「カフカの変身」という芝居を観てきました。

本物のカフカ原作の「変身」の芝居だということを今日気がつきました。偶然、1週間ほど前に池内紀氏の「ぼくのドイツ文学講義」という本を読んでいて、「変身」についてのかなり詳しいあらすじを読んでいたのですが、いや、こうもカフカの「変身」三昧の月というのも、不思議な気がします。

どうしてもこのストーリーで虫に変身してしまったグレゴールを邪険にあつかう家族が、障害者や痴呆老人で家計や生活に圧迫されて、あげくは「早く死んでくれないかな」と感じる家族の末路に似ているような気がして、恐ろしかったです。家族だけではないですね、鹿児島の阿久根市長なんかや、後期高齢者医療なんてのを考えつく政府や官僚も、このザムザ一家と同じ発想なんでしょう。東京都の都知事もしかり、税金や健康保険で国家や自治体の財政を圧迫する老人や障害者は早く死んでくれって言ってるようなものなので。。

長く患った家族を抱えて、介護疲れ、財政難に陥った家族が、おじいちゃんやおばあちゃんのお葬式で晴れ晴れしているっていう話もリアルにあると思います。

家族の愛って、不滅ではないのでしょうね。実際息子さんのいる友人と観にいったのですが、愛し続けられるかどうかは、息子の変貌次第だと語っていました。

障害をもって子供が生まれてくると、父親が逃げるって話はよく耳にします。逆もあり、最近知人から聞いたケースでは、母親が障害をもった娘を残して家を去り、障害を抱えた娘を父親ひとりで育てたそうで、そういうこともあるんだな、、と。親の愛、子の愛だって人によっては絶対ではない、とても不確かなものです。

「変身」は、たまたま虫になる、という唐突もない話なので、不条理だと言われますが、人は虫にならなくたって、息子が家庭内暴力をふるうようになったり、夫がリストラされたり、アル中やギャンブル狂になったり、妻が太ったり容貌が衰えたり、そんな理由だけで愛情が消滅することもあることなので、愛はともかくにも簡単に損なわれやすい、そういうことを不条理というのでしょうか。むしろ条理と言ってもよいのでは。

芝居を観ながら深く考え込んでしまいました。ところで、隣の女性が大笑いばかりしていたのですが、この芝居のどこに笑いがあるのだろう?そこ、笑うところ?って思うことが何度もありました。

この芝居で笑う人って、なんて幸せな人なんでしょう。逆にすべてを諦めて、とっくに人生を悟りきった人はこの芝居で笑えるのかもしれません。

森山未來はすばらしい役者ですね。それに比べると永島敏行は結構セリフ噛んでいて、もうすこし練習したほうがよいかもしれません。

演出も素晴らしく、とてもよい芝居でした。この芝居、森山未來のライフワークにしてもよいのでは?

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