カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2018年7月14日 (土)

インドへ

著者 横尾忠則 文芸春秋

かつてはインド旅行者のバイブルだったらしいこの本、字が小さすぎて、読めない(老眼)
カメラマンと一緒の旅行で、日本でJTBでホテルを予約していったりと、わりとストレスのない旅行のように思いました。
それでも、やはり乞食との葛藤がここでも描かれています、
そう、施しとは? 自分のため? 相手のため? インドに行くとどうしてもその問題にからめとられてしまうみたいです。
文字が小さすぎて、途中で挫折してしまいました。

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女心と秋の空

著者 中谷美紀 幻冬舎

インドに行っていたころよりも、さらにレベルアップして、高いステージに行ってしまったかのように思える中谷美紀さん。
聖者のように思えます。
でも、本書の中で、ガンジス川でバタフライの映画にどうしても参加したいと頼み込んでインドに行ったのに、長澤まさみちゃんは二日間、病気にもならずに、きっちり体調管理をしてガンジス川を泳ぎ切ったのに、自分はダメだと言われていたのにこっそりカレーを食べて高熱をだし、撮影が延期になってしまった、なんて逸話が書かれていて、聖者もときに人間らしくなるのだと、ちょっとほっとしました。
あまり、背筋をのばして美や徳を追及しすぎずに、ちょっとずっこけたところがあるところが、この女優さんの魅力なんだろうな、、でも、年下なのに、老師、という存在になりつつある、あこがれの女優さんになっています。
本当にご本人が書いているのかぁ、芸能人の本はすべてゴーストライターが書いてるなんて言っている編集者がいたので、是非ともこの本は、ご本人が書いていて欲しいなぁと思います。

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インドかよ!

著者 ウィリアムサトクリフ ヴィレッジブックス

パブリックスクール出身のイギリス人の大学生が夏休みを利用して、友人の恋人とインドを旅するイギリスでベストセラーになったという一冊。
軟弱なイギリス人が、インドで旅の恥をかきすててくる。
ロイターの記者にインドの政治問題のひとつもしらない。新聞をよまないかと皮肉をいわれても、反省するどころか、むっとするだけ。
インドで出会った欧米女性をナンパして、マリファナを吸って、ヨガにはまった友人をよこめにし、そしてイギリスに戻って、ふかふかしたベッドでやっと眠れるとほっとする。
そんな、なるほどヒッピーのインド旅行記でした。
インド到着二日目に、まとわりつく乞食の女の子を軽くこづくあたり、インドに来て、乞食を無視できなければ、インドで旅行できないと言われて、なるほどと思うあたり、インドを旅行することは、自分の虚栄心とか、偽善心とか、自己中心性とかに、向き合わなければならないということなのだなぁなどと考えてしまいました。
そもそもインドのこの不安定の状況の責任の一端にイギリスがあると思うのに、いいのかこれで、なんて少し思ってしまった一冊でもありました。

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インド人にご用心!

著者 モハンティ三智江 三五館

5月につれの病気が再発し、昨日は父親が救急車で運ばれ入院、今朝は買ったばかりの卵が腐っていて恐ろしい状態になっていたという災難続きの今日この頃ですが。
インド本は引き続き読み漁っていました。
本書は、旅先のインドに見せられ、インド人と結婚し、インドのブリーという土地でホテルを開業して20年以上暮らす女性のインドで暮らす日本人の苦労や、インド人の生活が垣間見える、しかもかなり最近の(初版2012年)の一冊です。
すこしは暮らしやすくなっているのかなぁと思うのですが、そうでもなさそうで、停電などはまだおおいし、トイレ事情もよくはなさそう。謝らず、感謝しない、言い訳は得意というのも本当のようです。日本人の美徳で通すと暮らしていけないというのがインド社会、インド文化なようです。
猛烈に高い気温、テロや内紛、政治家の汚職、貧富の差、身分の差(カースト)、ストライキ、停電、日本人の美徳で一歩下がっていたら、一生前に進めないのかもしれません。
そんなインドで暮らす著者、しぶしぶながら、カースト制度の文化に巻き込まれてしまっているようです。この文化を受け入れないと、その社会で暮らしていけないのでしょうが。深い闇、深い問題ですね。
とにもかくにも、バイタリティがないと、インド曼荼羅模様のような社会で生き抜くのは日本人には難しそうです。
でも、なんとなくインドで暮らす著者がうらやましい、さまざまな困難がありながらも、どうしても、インドの人々の暮らし、生活は輝いているように見えるのです。

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2018年4月21日 (土)

神経病時代

著者 広津和郎 中央公論社

「やもり」「波の上」と続くクズ男三部作なのですが、調べてみるとこれ、私小説ですね、超著者本人の実話です。。
広津和郎は、1891年12月5日生まれ、明治24年の生まれですが、1968年まで長い作家生活で、交流関係多彩、菊池寛、芥川龍之介、志賀直哉などそうそうたる顔ぶれの友人がいいる長い作家生活を過ごした人物なのですが、わたしが不勉強なだけなのかもしれませんが、明治生まれの作家のなかでは、あまり知名度というか、代表作がないようですね。
代表作はこの「神経症時代」ですが、ほんとクズ男の話です、クズ男です(しつこいか)。
徹底的に自己中心的で優柔不断な男の話なのですが、文章の才能というのはクズ男関係ないのでしょうか、話としては、イラつきながらも、最後まで読んでしまう筆力がありました。
明治生まれの作家は、ひょっとすると、こういうクズっぽい作家がうじゃうじゃいたのではないかと想像できます。
しかし、残念ながら、本書、面白かったです。

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2018年4月20日 (金)

人間の條件

著者 五味川順平 文春文庫

中谷美紀のインド旅行記から始まって、どうして「人間の條件」にたどり着いてしまうのか。。
いやぁ~文学って本当に面白いですね。
中谷美紀の「インド旅行記」面白かった→インド本読み漁り→インド本を多く出版している三一書房がどういう出版社なのか気になり調べてみた→ベストセラー本「人間の條件」で有名な会社らしい
というわけでたどりついた「人間の條件」、きっかけはやはり中谷美紀なんですよ。。
しかしこの本、、内容が重い、暗い、つらすぎる、、
今の日本の状況などをみると、戦争という国策に人生を翻弄させられた主人公や同時代人のストーリーで、タイムリーな本と言う気もします。
学校の道徳の教科書でスポーツ選手の根性話を子供に読ませるくらいだったら、この本の根性話よませたほうがまだ道徳の勉強になるのではなんて思ってしまいました。
一巻読んだだけでせつなくてつらくて、あと5巻も読むのがヘビーなんですよ。
自分の祖父もシベリア抑留者であり、読まなきゃいけないのでしょうが、、つらい、、
第一話は鉄鋼会社社員の主人公が満州にある鉱山で現地の労働者たちと丁々発止をする話なのですが、、自分は良心をもった穢れのない人間だと信じて生きてきた人間も、戦争中は、お国のためという言い分で、実は最終的に我が身かわいさで、敵国の人間を平気で蹂躙する心を持たねばならぬわけで、何度も心の揺れ動く主人公に読んでいて疲れてきてしまいました。
この作品は仲代達也が主演で映画化もされているということで、映画も見てみたいと思いました。
また2巻目以降を読めるような気持ちになりましたら、感想をもうすこし詳しく書きたいとおもいます。

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2018年2月24日 (土)

物乞う仏陀 

著者石井 光太 文藝春秋

インド本だと思って予備知識のないまま借りてきたのですが、
カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、ミャンマー、スリランカ、ネパールの貧困地帯の戦争被害障碍者、地雷被害障碍者など、数多くの障碍者の状態(その多くが物乞い、乞食をして暮らしている)を取材、インタビューしてきた一冊でした。
家族に重度障碍者がいるため、本書で何度も出てくるセリフ。
家族に障碍者がいることは不幸なのかという問いかけが、胸になんども突き刺さりました。
相模原の殺人事件では、犯人は家族が不幸と決めつけ、殺人に及んだという見方もされていますが、
制度の整っていない国や自治体に暮らす極貧地帯の人々の場合、家族に障碍者がいると、一家がさらに貧困スパイラルから抜け出せず、不幸どころか地獄になるという現実があることは否めません。
日本でも、家族の介護で貧困に突き落とされ、自殺や殺人事件まで起きているのですから、100%障碍者のいる家族が幸せかどうかはさておき、経済的に豊かに生きられる国とはたしかに言い難いと思います。
特に、仏教的な因果応報思想のあるエリアでは、障碍者になったのには、カルマ(業)の性、前世または現世での行いごとの報いという発想があり、差別されたりすることもよくあるという(この発想は日本でもよくありますね、とくに新興宗教はよくそういう話をしますね)
それでも、ある地域では、村、家族全員で支え合って幸せにくらしている地域もあり。
コミュニティ、社会のあるべき姿を深く考えさせられる一冊でした。
責任は家族、子育ては家族の責任、介護は家族の責任という方向にもっていこうとも見えるいまの日本の方向性は、障碍者を不幸な存在にしてしまう可能性があるということです。
困難な状態になったとき、共同で補完し合えば容易く乗り越えられる問題が、一人で格闘しようとすれば、あり地獄にはまってしまう問題となってしまうのだと。
日本は自然災害の多い国で、戦争だってまた起こる可能性があり、いつ自分が重い障害を持つ身になるかわからない。そんなときに、絶望せずに安心して暮らせる、そんな国ではない、今の日本は、まだ違う、でも、これから日本はなってくれるのだろうか、かなり心配になってしまう昨今です。
ところで、最後に著者が訪れたインド・ムンバイ
他の国の障碍者とは事情が違い、先天性の病気や戦争被害ではなく、ストリートチルドレンが同情を買って物乞いをしやすくするために、マフィアが子供たちの眼をつぶし、腕を切り、熱湯をあびせているという話。映画「スラムドッグ$ミリオネア」でも出てきましたが荒ましい数の被害者がいるということを再認識して、著者同様頭を抱えてしまいました。
吉村昭の「関東大震災」を読んだとき、火の粉が降り注ぐ中、親は子を蹴飛ばし、子は親を踏みつけ我先にと逃げ惑う。。といいった描写がありました。旧日本軍が中国や東南アジアで行った数々の虐待事件、アメリカの空爆、焼夷弾、ナパーム弾、枯葉剤、地雷そして原爆投下。そこに、人間としての尊厳、憐みの心はあったのかという疑問。
過酷な状況下では、人間は誰しも必ず獣のになってしまうのでしょうか。それとも、、その人間ひとりひとり違い、獣の心を持つ者は金持に豊かに充分な教育を受けて育とうが、貧困家庭だろうが、最初から持っているのでしょうか。
今の日本の国会にいる世襲議員などを観ていると、育ちは関係なく、人間性は生まれながらに宿るものなのだろうかという気持ちにもなってきますが。。やはり、、教育が足りてないのかなという気もします。
悲しい一冊でした。。
そして、直接的には一体なにができるか、考えると頭が痛くなります。
それでも、なにかを考えなくては。。

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2017年11月26日 (日)

弟の戦争

著者 ロバートウェストール 徳間書店

児童書なのですが、大人向けのような内容です。
イギリスで何不自由なく平和に暮らすある家族の少年の弟が湾岸戦争の最中、イラクの少年兵と意識がシンクロしてしまうというお話。
イラクの少年兵もひもじくなったり、砲撃されて怖かったり、仲間が死んで悲しかったり、そんな体験をイギリス人の子供が意識の中で体験してしまう。
両親は弟が精神病になってしまったのだと思うが、少年と医師はこの子供がイラクでなにかを体験しているのだとわかっていたのです。
弟がこうなる前の少年は、父親とふたりで、「イラクのやつらに爆弾を落として粉々にしてしまえ!」なんて息巻いていたのだが、そのとき、母親が、「なんてことを言うの、イラクの兵隊さんたちにも母親がいるのよ、あのひとたちは金属でできているとでも思っているの?」、といってたしなめるが、このときはまだ、少年は母親の言っていることがよくわからなかったのです。
弟がイラクの少年兵と意識下で同化してしまったとき、はじめて、イラクの少年兵も砲弾が恐ろしい、深夜の爆撃は怖くて眠れない、育った村に帰って母親に会いたい、平和に暮らしたいと思っているのだと知ることができたのです。
この児童書は、湾岸戦争で連合軍がイラクに無差別爆撃をしたことに憤慨したイギリス人の作家の作品だそうです。
「北朝鮮のやつらを懲らしめてやれ、いつでも砲撃できるんだぞ」と息巻いているかの国、この国の指導者やネトウヨも、北朝鮮の兵隊さんも母親から生まれた血が通っている人たちで、自分たちと同じに親や兄弟、家族がいるし、本当は戦争なんかするよりも、村に戻って家族や恋人と平和に暮らしたいと思っているのではないかという想像力を働かせていただきたいものだなぁと。。この本は児童書ですが、こどもたちがそんなことを考えてくれればと思いました。
日本と北朝鮮バージョンでこの本をつくることもできそうです。。

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2017年3月 5日 (日)

紅楼夢

曹雪芹作 岩波文庫

「三国志」「水滸伝」「西遊記」とならぶ中国四代名著の一つということですが、他の3作に比べると、日本では圧倒的に知名度が低い本書。
中国では、红学(紅楼夢を研究する学問)や、红迷(紅楼夢マニア、紅楼夢狂い)といった言葉まである愛され文学で、毛沢東も愛読したとか。テレビドラマ化も何度もされているほどの人気作品ということです。
岩波文庫版でも12冊あります。
全部で120回まである作品ということですが、80回以降が散失してしまい、そのまま作者が死去してしまったため、今ある80回以降は清時代の官僚・文学者高鶚が補ったということですから。岩波文庫だと8巻目までが曹雪芹作ということになります。
この本は18世紀中ごろに書かれたということですから、イギリスだと、ディケンズあたりと同じ時代の作品なのですね。
ところで、まじで面白い。本当に面白いです。読みだしたら最後You can't stopですよ。
わたしも、毎日往復3時間の通勤時間なのですが、この本読みだしてから、通勤時間があっという間なのです。
日本では、中国版「源氏物語」などと言われていゐるそうですが。
むしろ、中国版「渡る世間は鬼ばかり」(舞台は中華料理屋ではなくて、中国の宮廷や貴族なんですが。。いやー、まじで家族のドロドロ、人間のドロドロが次から次へと湧き上がる人間ドラマで面白いったらないです)。
でも、物語のなかに挿入される、登場人物たちが読む詩や、知的な会話など、そういうドロドロ大衆文学を嫌った毛沢東も認めた教養小説でもあるんですね。。
現在6冊目まで読みましたが、曹雪芹版はあと2冊か、、と思うと寂しくもあります。
全て読み終わりましたら、感想などまた書きたいと思います。

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2016年12月 2日 (金)

死者のあやまち

著者 アガサクリスティ 早川書房

またもやポアロと、女流推理作家オリヴァのコンビ小説。
ヘイスティング君がなつかしい。。ってしつこいか?
本書はアガサクリスティの意見なのか、当時のイギリス人の意見なのか、いろいろと差別っぽい発言が垣間見えていろいろ考えさせられました、その一つは、いまの日本のネトウヨみたい。。
 だいたい、この地方の人たちは、なにか事が起こると、ただ漠然と外国人に罪をなすりつけて、それで気がすむという昔からの根強い考えがあるのではないかと、ブランド警部は胸のなかで思った。
なるほどですね。。

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